聞き取りやすい声を作るのに、呼吸と並んで大事なのが共鳴です。声帯で振動した声を、喉の入り口のほう、咽頭や口腔、鼻腔、つまり口や鼻の中の空間で響かせ、人の声をつくります。
天井を向いて、「アー」という声を出しながら、ゆっくりあごを下げて、おへそが見えるまで顔を動かしてみてください。一番声が響くところで顔を止めてください。その角度が喉や口、鼻の奥の共鳴がよいところです。あごの角度を覚えておいてください。その顔を角度にして、声を自分の眉間にぶつけるようなつもりで声を出してみてください。よく響く声が出るはずです。
「こんにちは。きょうは、うれしいことがありました。」
例えば、こんなことばを話しながら録音をとって、自分で聞いてみてください。そして共鳴のよい自分の声を確かめてください。それまでの声より、少し高めの声のほうが、明るく聞き取りやすい場合が多いようです。
(NHK‐CTI日本語センター 基礎から学ぶアナウンス (あなたを磨く話しことば) /半谷進彦・佐々木端 著より)