●「ア」
自然な口構えで、あごを開きます。口の開きは、上下の歯の間に人差し指が一本入るくらいの大きさです。唇は丸めません。下は口の中に自然に置いたまま、あごと一緒にさげます。のどの奥の方より、出口の方を大きく開きます。
●「エ」
「ア」の口構えからあごを閉じてきて、唇をやや左右に引きます。舌は「ア」のときより前に持ち上げる感じです。
●「イ」
「エ」の口構えから、さらにあごを閉じてほとんど開きません。唇は横に引き、平たくわずかに開けます。舌先を上歯ぐきへ向けて高く上げます。舌先を上げずに、下の中ほどが盛り上がると明瞭度が落ちるので、注意して下さい。のどの奥を開いて、出口の方を狭くします。
※アエアエとエイエイを繰り返して、下の動きをつかんで下さい。
アエイを繰り返して舌の位置とあごや唇の動きを確認して下さい。
●「ウ」
「イ」の口構えからさらにあごを閉じ、五つの母音の中で最もあごの開きを小さくします。唇の両端を左右から中央に引き寄せます。しかし、唇は完全に丸めるのではなく、見かけは平らな感じにします。突き出したりはしません。下は付け根の部分をやや緊張させて盛り上げます。
●「オ」
「ウ」よりあごを下げ、唇を少し丸めます。上下の歯の間に小指一本が入る程度にします。舌は「ウ」のときよりやや奥へ引っ込める気持で、「ア」より後ろに持ち上げます。
※アオアオとオウオウを繰り返し、舌の位置を確かめて下さい。
※アオウを繰り返して、舌の位置とあごや唇の動きを確かめて下さい。
※ウとオのあごの開きの違いを確認したうえで、次に挙げたように、ウイとオエの繰り返しでイとエのあごの開きの違いも確認して下さい。
※ウイウイを繰り返してみてください。あごの開きが変わらず、唇の開きに違いがあることを確認してください。
※オエオエを繰り返してみてください。あごの開きが変わらず、唇の開きに違いがあることを確認してください。
五つの母音がそろったところで、「アイウエオ」の順に声を出してみましょう。口の開きと舌の位置が順序よくつながっていることが確認できると思います。
(NHK‐CTI日本語センター 基礎から学ぶアナウンス (あなたを磨く話しことば) /半谷進彦・佐々木端 著より)